軽貨物配送

軽貨物ドライバーの経理術|帳簿から節税まで完全ガイド

2025年6月4日

軽貨物運送業の個人事業主として働く際、毎月の経理管理や年1回の確定申告は欠かせません。適切に経理を行うことで、収入と支出がはっきりし、税金の負担も減らせます。この記事では、「しっかり経理をしたい方向け」と「簡単に済ませたい方向け」の方法、そして軽貨物運送業で経費にできる項目を紹介します。

毎月の経理管理

経理管理を行うことで、収入や支出の流れが把握でき、無駄な支出が減らせます。ここでは「しっかり管理する方法」と「簡単に済ませる方法」を紹介します。

(1) しっかり管理をしたい方向け

しっかりと経理を行えば、事業の収支をリアルタイムで把握でき、必要な対策も立てやすくなります。手順は以下の通りです。

帳簿をつける:エクセルや会計ソフトを使って、売上や経費を毎月細かく記録します。「燃料費」「通信費」「メンテナンス費」など項目ごとに分けておくと後で見直しやすいです。

領収書やレシートの整理:経費として使ったお金の証明として、領収書やレシートは月ごとにまとめてファイルしておきましょう。

月ごとの収支を確認:毎月、売上から経費を引いた金額を確認し、利益が出ているかをチェックします。どの月に支出が多いかを把握し、対策を立てることができます。

会計ソフトの利用:青色申告で65万円の控除を受けるには、複式簿記という記録方法が必要ですが、会計ソフトを使えば簡単にできます。無料や低価格で使えるものもあります。

(2) 簡単に済ませたい方向け

毎月の経理をできるだけ簡単にしたい場合は、最低限の記録だけに絞りましょう。

売上と経費の合計を記録:毎月の売上金額と主要な経費だけを手帳やノートにざっくりと記入するだけでOKです。

レシートや領収書をまとめる:レシートや領収書はまとめて保管し、年末に経費の合計を出すときに使います。

スマホアプリを使う:レシートを撮影して記録するアプリ(マネーフォワードやMoneytreeなど)を使えば手軽にできます。項目ごとに自動で分けられるので便利です。

2. 確定申告の方法

確定申告は年に1回、1年間の収入と経費から納税額を決める手続きです。「しっかり申告したい方」と「簡単に済ませたい方」向けの方法を紹介します。

(1) しっかり申告を行いたい方向け

青色申告をすると、税金を安くできる特典があります。

青色申告の利用:青色申告には、所得から最大65万円を引ける(控除できる)メリットがあります。複式簿記が必要ですが、会計ソフトを使えば簡単です。

経費の計上:収入を減らして節税するために、事業にかかる経費をもれなく記録しておきます。例えば、「燃料費」「保険料」「修理費」など、すべて申告時に計上できます。

書類の作成:青色申告では、貸借対照表や損益計算書といった書類が必要ですが、会計ソフトで自動的に作成されるので便利です。

(2) 簡単に済ませたい方向け

白色申告を選ぶと、シンプルに申告できます。

白色申告の利用:白色申告は、収入と経費の合計をまとめるだけで済むため、手間がかかりません。

最低限の記録:年間の収入と経費をノートや家計簿アプリにまとめておき、収支報告書に反映させます。

e-Taxやアプリで申告:e-Taxや税務署の申告ソフトで簡単に申告でき、電子申告なら税務署に行く必要もありません。

3. 軽貨物運送業の経費リスト

軽貨物運送業で認められる経費の項目を一覧にまとめました。経費として記録しておくことで、税金を安く抑えられる可能性があります。

燃料費

 配送のためのガソリン代です。毎回レシートを保管し、月ごとの合計を出しておきましょう。

車両メンテナンス費用

 オイル交換やタイヤ交換、修理などの車両維持費用が含まれます。車両の点検や整備のたびに領収書を保管します。

車両保険料

 任意保険や自賠責保険など、事業で使う車両にかかる保険料です。保険の証書や更新時の領収書も一緒に保管しましょう。

車両リース料やローン利息

 車両をリースしている場合の月額料金や、ローン利息部分が経費に計上できます。

事務所費(自宅兼事務所も可)

 自宅を事務所として一部利用している場合、その割合に応じた家賃や光熱費が経費として認められます。

通信費

 業務連絡で使う携帯電話やインターネットの費用です。使用割合に応じた金額を経費として計上します。

消耗品費

 梱包用テープや作業用手袋など、仕事に使う消耗品も経費に含まれます。

駐車場代

 業務中に使うコインパーキング代や、業務のために借りる月極駐車場の費用も対象です。

会計ソフトやアプリ利用料

 会計ソフトや家計簿アプリなどの利用料も経費に含められます。

銀行手数料

 事業用口座で発生する振込手数料やATM利用手数料などです。

交際費

 取引先との会食費や贈答品代も経費になります。食事の際は目的と相手をメモしておきましょう。

福利厚生費

 仕事中に飲む飲料代や、健康診断の費用も含まれます。

教育・研修費

 安全運転や運転技術向上のための研修費用などです。

広告宣伝費

 新規顧客獲得のためのチラシ作成費用やSNS広告の費用も経費になります。

生命保険や医療保険の保険料

 業務中の事故に備えるために加入する保険の費用も対象です。

法定福利費

 健康保険や国民年金の支払いも経費に計上できます。

図書・新聞購読費

 業界に関する本や新聞購読の費用です。知識向上や情報収集のために必要なものは経費になります。

まとめ

軽貨物運送業の経理と確定申告は、事業の安定と節税に欠かせません。しっかりと管理を行う方法と、簡単に済ませる方法、それぞれのやり方に応じて自分に合った方法を選び、経費として認められる項目を漏れなく記録しておきましょう。

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